2014年12月15日月曜日

この師走に、ワークショップって、なんだ?

 
先ほどまで、昨日の衆院選を振り返る番組を見ておりました。
私たちの生活について、政府にあれこれやって欲しいと思うこともあるかもしれないけど、”自分たちが作り上げる”という姿勢を意識するのもいいな、とちょいちょい思います。


みんながニュースになるような目立つ活動を目指さなくても、周りの人たちと社会関係資本(ソーシャル・キャピタル)を豊かにしていく活動をするっていうのも、生活を良くすることだと思うし、そこから新しい組織がうまれたり、雇用につながったりするとよいなと思います。


そのような活動ってワークショップと重なるところがあるのでは?ということで、ワークショップとはなにかを説明するというお題でかいたessayです。

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Workshopは、もともと「作業場」などという意味でしたが、米国で「研究集会」という意味でワークショップという言葉が使われるようになりました。
ワークショップでは、学校の教師のように全体を上位の立場からコントロールする人はいません。新しい知識を伝える講師がプログラムの一部を担当することはありますが、基本的にはファシリテータと呼ばれる人が参加者の活動を促すという立場で関わっています。

大人向けのワークショップにもいろいろなものがありますが、ワークショップでは参加者はグループでの活動に参加し、他者とコミュニケーションする中で、自分がその場や結果を作り出す「自己原因性」を体験するとともに、自分と他者との違いを知り、活動を振り返ることで自分の考えや行動の癖に気づいて、新しい見方や考え方を身につけていく、ということが起こります。
 
新しいワークショップを作る場合には、ワークショップの目的や参加者を意識してデザインします。参加者がその体験をすることでどのように感じ、変化するかという最終的な成功イメージを持つことも重要です。
ワークショップでは、活動内容や使うツール(道具)だけでなく、ファシリテータと参加者との関係や、十分な体験をし、体験を理解するための時間のデザインも必要です。また活動にルールを追加していって難しさを付加することでモチベーションを高めたり、ペアやグループで行うことで自分との他者との違いや、グループでの合意の仕方について考えさせる場をつくったりします。

またワークショップの関係者と協同的にワークショップをデザインすることで、多様な視点から、新しいアイデアも得ながら活動をブラッシュアップすることができます。

しかし、デザイン時にどれだけ推敲を重ねても実践の場では予想しなかった動きや反応がでてきます。ワークショップ実践時には、ファシリテータは事前に決めていたプログラムに執着しすぎることなく、参加者や場を観察して、その場にフィットするように内容を変化させることで、よりよい体験や内省を生むように心がける必要があります。
 
ワークショップでは、参加者だけでなく、ワークショップのデザイナー、ファシリテータも、ワークショップデザインや実践を繰り返すことで学んでいます。
決まったワークショッププログラムを再生産するのではなく、ワークショップを作り直すこと、ワークショップを新しく作り出すことがワークショップデザイナー、ファシリテータの学びになります。

ワークショップは、参加者にも、ワークショップデザイナー、ファシリテータにも、循環する学びの場を提供しているといえると思います。
 
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貴方がワークショップに興味があるなら、いくつかのワークショップに参加してみることをお勧めします。

博物館や美術館などの社会教育施設でもワークショップを開催しているので、インターネットで「ワークショップ 美術館」などで調べて、興味のあるものに参加するといいと思います。

ワークショップ関係の書籍もでているので、中野民夫先生の「ワークショップ」や、苅宿俊文先生の「ワークショップと学び1 まなびを学ぶ」を読むのもよいと思います。

まずは参加者としていろいろなワークショップに参加してみて、自分の興味の方向が見えてきたら、興味のあるワークショップのお手伝いをしたり、青山学院大学のワークショップデザイナー育成プログラムを受講して講義や実習を通して体験的に学んだりするのもよいと思います。


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Merry Christmas!
 

2014年12月8日月曜日

なぜワークショップ?と聞かれるけど


ずーっと、教育+IT関係の仕事をしてきましたが、今年の春に青学のワークショップデザイナー育成プログラムを受講したことを話すと、「なぜ、ワークショップ?」と聞かれることがあります。
なんでなんだっけ?と思い出してみると、教育工学系の本を読むと、ワークショップに言及したものが多いけど、それってなんだ?と思ったのがきっかけです。たぶん。

ワークショップってなんだ?ってことを知るのには、ワークショップに参加してみるのと、ワークショップ関係の本を読むのと、青学WSDに参加してみるのがいいかな、と思って、ちょうど昨年の今頃から始めたわけです。

参加するワークショップは、自分が好きなアート系のものを自然にセレクト。
KAAT神奈川芸術劇場では、「蜘蛛の糸」の朗読に和楽器で効果音をつけるワークショップ。
初めて会った人と、どんな楽器でどんな音をつけるのか考えて、さくっと演奏してしまうものです。
合意形成が思いのほかうまくいって、かなりプロっぽいいいものになりました。
東京都現代美術館では、みえる人とみえない人の井戸端鑑賞ワークショップ。
みえる人とみえない人が一緒にアート作品を見て回るのですが、みえる人は、自分が見えると思っているものを言語化して伝える。作品から受けるイメージや感想までも言語化してみると、見える人同士でも全く違ったとらえ方をしていることがわかる、ということになるのです。このプログラムはそれ以外の仕掛けもあるのですが、それは別の機会に。

ワークショップ関係の本は、いわゆる芋づる式に、本を読んだらその参考文献へ、またアマゾンで検索してみて、という感じで、成人の学びとからめて読んでいきました。

そして青学ワークショップデザイナー育成プログラム。
e-Leaningと座学で基礎知識をつけて、ワークショップ企画・実践で、同期の仲間たちと”濃密な時間を過ごさざるを得ない”プログラムになっています。

e-Learning課題で書いた「学習について中高生に伝える」はこんな感じです。

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「学習」とは何でしょうか?
私たちは、学校の授業中だけでなく、クラブ活動で、学園祭のプログラム作りの中で、学校帰りに友だちと話をすることで、いろいろな場面で学んでいます。
では、私たちは「どのように学んでいる」のでしょうか?

授業中に先生の話を聞き教科書を読んで、新しい知識を得る場合はどうでしょうか。
先生が持っている知識を自分の知識として移し替えるような学び方です。ある人は、先生の脳から自分の脳に知識がそのまま導管を通って移し替えられるというイメージを持って、「導管型の学び」と言っています。理科の時間に元素記号を覚えるのは、それにあたるでしょう。この学びの結果を評価するには、学習目標となっている知識を覚えているかどうかをテストすればよいことになります。このように新しい知識を持つことは、その後の応用・発展の基礎にもなるので重要な学びだと思います。

私たちは複数の知識を頭に入れて、貯めているだけではありません。
新しい知識を得たとき、自分の持っている古い知識と組み合わせたり、自分なりの理解の枠組みに取り込んだりすることがあります。
人の学習や理解をコンピュータの情報処理を参考にして考えると、インプットされた知識が既存の知識と一緒になって処理されて新しい知識として再構築され、新しい情報としてアウトプットされると言うこともできます。新しい体験をすることによって、古い判断の枠組みが組み替えられ、自分の理解の枠組みが変わっていくということもあります。このように自分の中で新しい判断の枠組み、論理のようなものを作っていくのも自分の内部で起こる学習と言えます。

では、自分一人ではなく、自分以外の人たちとの関わりの中で学ぶことはないでしょうか?
授業でグループになって友だちとディスカッションする場合はどうでしょうか。自分の意見を言って、友だちの意見も聞く。それを繰り返して一緒にグループとしての答えを探す中で、自分だけでは気が付かないことに気づいたり、友だちと自分との違いを感じたりしたこともあるのではないかと思います。授業だけでなく、クラブ活動でも、学園祭のプログラム作りでも、話し合いや共同作業を通して、新しい考え方や人との違いを知り、新しい判断の枠組みを作ることがあればそれも学習と言えます。
他の人とコミュニケーションする際には、話すだけでなく、文章で書くこと、図形で示すことでお互いの考えを明確にすることも有効です。(自分の考えを外に出すことを「外化」、目に見えるように示すことを「可視化」といいます。)また、ディスカッションやグループ活動などの後で、その活動を、個人やグループで振り返ることによって、活動のさなかではわからなかったことに新しく気づくことがあると思います。この気づきも学習です。

ワークショップにおいては、グループで共同的に活動することにより、その体験から気づき、学ぶことも一つの目標としています。
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なぜ、ワークショップ?って、学びと気づきにつながるものだからかな。

Merry Chirstmas!

2014年12月6日土曜日

12月になると

12月に入ると、街で会った人々がひとしきりおしゃべりした後に、「Merry Christmas!」と言って笑顔で別れる。
「12月はみんなが良い人になる季節だ」と言った人がいたけれど、アメリカではクリスマスムードが高まり、街頭もきれいに飾り付けられる素敵な季節でした。

ハローウィンは日本に上陸して、数年でずいぶん広がっていったように、クリスマスのセンチメントもアメリカみたいになってしまうのかしら、と思います。(どちらかというと危惧)

今日は2015年のカレンダーを買いましたが、なんとなく選んだのは、ミッフィーの。
趣味は変わらずだな、とメタ認知を稼働させました。

Merry Christmas!

2014年12月3日水曜日

そう、タイトルが必要なのか

Blog を作ってみるのに、タイトルが必要だな、って思ってて、思いついたのが、先週末のワークショップ。ほめることがテーマのワークショップだったけど、そこで人に言ってもらった言葉から抽出するのが面白いんではないか?と思ったわけです。

それが、「どんなことも楽しそう」だったわけです。